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ばほぼ完壁な人間像が浮かんできそうです。世の親が理想とする子供のイメージも、“勉強がよくできて、健康でスポーツが得意”ということでしょう。これも、“あたま”と“からだ”です。
はたして、あたまがよくてからだが強健なら、ほんとうに理想的なのでしょうか。じつはこれ、理想的どころか両刃の剣でけっこうアブナイんじゃないか、と思われるのです。
この世で悪事をはたらく人間は、たいてい人よりあたまがよくて、からだもりっぱなのです。いや、そうでなければ、口先三寸でまんまと人を騙して、サッと雲隠れするとか、白昼現金輸送車を強奪し時効まで逃げ延びる、なんて芸当はとてもできません。
サリンを製造しバラまいた人たちも、知力、体力とも人並み以上、エリート級だったようです。エリートといえば、薬害エイズの責任者たちや、悪徳高級官僚の経歴を見ると、トップクラスの大学を出た超エリートたち。しかも連夜の接待、パーティーに耐えるだけの強健なからだの持ち主のようです。

 

 

 

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